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意外と知らない!?商社系デベロッパーマンションブランド

意外と知らない!?商社系デベロッパーマンションブランド
e-tocoアシスタントスタッフの張替由佳(はりかえ・ゆか)です!
このコラムは、不動産用語や物件の見方について、私が疑問や難しさを感じた題材をピックアップして、屋敷家好(やしき・いえよし)先生に解説していただいたものです。
皆様も私と一緒に、不動産に関するあれこれを学びましょう!

伊藤忠や住友商事、丸紅など、マンション事業を手掛けている大手商社は多く存在します。
近年は特に、1社単独よりも共同参加の形で関わっていることが多く、「実はこのマンションもあの会社が関わっているのか」と驚くかもしれません。
今回は、商社系デベロッパーによるマンションブランドをご紹介します。

商社系デベロッパーマンションとは?

マンション建設に関わるマンションデベロッパーには、「7大商社」と呼ばれる大手企業をはじめとした商社系の企業も多く存在します。
住友商事株式会社の「クラッシィハウス」や伊藤忠グループの「クレヴィア」など、一つの会社が単独で建設するマンションブランドは、「商社系デベロッパーマンション」と呼ばれています。
昨今では、そうした一社単独のマンションブランドではなく、マンションプロジェクトへの共同参加という形で関わるデベロッパーも増えています。

商社系デベロッパーマンションの主なブランドをピックアップ!

商社系デベロッパーマンションは、首都圏だけでなく日本全国に存在します。
それぞれのマンションブランドの名前や特徴をご紹介します。

住友商事株式会社

住友商事株式会社は、金属事業、輸送機・建機事業、インフラ事業、メディア・デジタル事業、生活・不動産事業、資源・化学品事業を持つ、七大商社のひとつに数えられる総合商社です。

マンションブランド「クラッシィハウス」を手掛けており、過去には「(地名)ハイム」「(地名)ハウス」「(地名)メゾン」シリーズをリリースしていました。

クラッシィハウス

クラッシィスイート赤坂 (写真提供: 物件写真.net)
クラッシィスイート赤坂 (写真提供: 物件写真.net)

クラッシィハウスシリーズのブランドコンセプトは、住宅としてのスペックである「機能」と、デザイン性から成る「美」を融合させるというもの。
「クラッシィ」という名称には、「高級な」「上品な」といった意味があり、暮らしの品質を高く保つには、住みやすさと見た目の快適さのどちらも重要であるという信念が込められたコンセプト。
グループ企業とのコラボレーションにより、スーパーなど商業施設を組み込んだ物件や、通信事業が担当するケーブルテレビなどインフラを標準的に備えた物件など、総合商社ならではの利便性が魅力のひとつになっています。

ハイムシリーズ、ハウスシリーズ、メゾンシリーズ

クラッシィハウスシリーズが誕生する前の旧ブランドです。
首都圏ではハイムシリーズとハウスシリーズ、関西圏ではメゾンシリーズがリリースされていました。

伊藤忠都市開発株式会社

伊藤忠都市開発株式会社は、七大商社のひとつ伊藤忠商事株式会社の子会社で、賃貸・分譲マンションの開発を手掛けている企業です。
不動産仲介会社であるセンチュリー21・ジャパンの株を約49%(2020年3月時点)所有している株主でもあります。

伊藤忠都市開発株式会社が手掛けているマンションブランドは「CREVIA(クレヴィア)」。
過去には、「イトーピア」や「シーアイ」シリーズというマンションブランドをリリースしていました。

CREVIA(クレヴィア)

クレヴィアという名称は「CREATIVITY(創造)」「CREDIBILITY(信頼)」「VIA(道)」の3つの単語を重ね合わせた造語で、住む人が自分らしく人生を楽しめる「創造性ゆたかな住まい」を実現し、住む人に豊かな暮らしへの「道」を切り拓くという想いがこめられたブランド名です。
また、自社一貫体制に基づく品質管理や伊藤忠グループによる開発から管理まで一体となったサービスで、信頼性の高さを誇っています。
2007年に、それまでのマンションブランドに代わる新ブランドとして誕生しました。

イトーピア、シーアイシリーズ

イトーピア東大島マンション
イトーピア東大島マンション (写真提供: 物件写真.net)

イトーピアやシーアイシリーズは、クレヴィアシリーズが登場する前にリリースされていた旧ブランド名です。
伊藤忠商事株式会社が開発していたシーアイシリーズには、シーアイマンション、シーアイハイツ、シーアイコートなどが存在していました。
イトーピアシリーズは、子会社である伊藤忠不動産が展開していたマンションブランドです。

クレヴィア若葉台パークナード一番館
クレヴィア若葉台パークナード一番館 (写真提供: 物件写真.net)

丸紅株式会社

芙蓉グループに含まれる丸紅株式会社は、かつては同一の企業であった伊藤忠商事株式会社とともに七大商社に数えられている総合商社です。

展開するマンションブランドは「グランスイート」。
過去に展開していたマンションブランド「ファミール」シリーズに代わり、2003年から「グランスイート」で統一されています。

グランスイート

グランスイート虎ノ門
グランスイート虎ノ門 (写真提供: 物件写真.net)

グランスイートは、企画開発から販売、管理、通信インフラまでを丸紅グループが総合して一貫サポートすることにより高いクオリティを実現するマンションブランドです。
暮らしの未来を見据えた住まいづくりが、マンションブランドにおける理念となっています。

ファミールシリーズ

ファミールヒルズ目黒東山
ファミールヒルズ目黒東山 (写真提供: 物件写真.net)

グランスイートに統一される前のマンションブランドは、ファミールやファミールハイツ、ファミールグランなどを含むファミールシリーズがリリースされていました。
1971年からリリースされ、2003年にグランスイートが登場するまでの間、分譲されていたマンションブランドです。

双日株式会社

日綿實業株式会社と日商岩井株式会社の合併により生まれた双日株式会社は、それぞれの会社で展開していたマンションブランドを統合した「IMPREST(インプレスト)」を展開しています。

IMPREST(インプレスト)

インプレストは、住む人のライフスタイルを形にしていくことに重点を置いた、ライフスタイル考案型のマンションブランドです。
マンションの建材に珪藻土などの自然素材を積極的に取り入れたり、空間クリエイターやデザイナーとのコラボレーションを多く展開するなど、個性豊かな住空間が特長のひとつとなっています。

ハイツシリーズ、グランドパーク、サンヴェール

グラツィオーソ神楽坂イースト
グラツィオーソ神楽坂イースト (写真提供: 物件写真.net)

旧日綿實業株式会社が手掛けていたマンションブランドです。
ヒルハイツ、パークハイツ、グリーンハイツ、グランドハイツ、シティハイツ、(地名)ハイツ、サニーハイツ、ビラハイツ、ベイハイツ、パークサイドハイツなど、多岐にわたる名称が展開されていました。

ソフィア、レジオン、日商岩井シリーズ

ソフィア大倉山
ソフィア大倉山 (写真提供: 物件写真.net)

旧日商岩井株式会社が手掛けていたマンションブランドです。
ソフィア、レジオンのほか、日商岩井(地名)マンションといった名称のブランドが存在しています。

三井物産株式会社

三井財閥の流れを汲む三井物産株式会社は、原油やガスなど資源分野に強みを持った総合商社です。
マンション開発に関しては、共同参画の形式が多い企業ですが、「ヴェーゼント」というマンションブランドもリリースしています。

ヴェーゼント

ヴェーゼント赤坂新坂
ヴェーゼント赤坂新坂 (写真提供: 物件写真.net)

三井物産株式会社が直接手掛けるマンションブランドです。
施工は株式会社長谷工コーポレーションなどが担当することがあり、自社で開発から管理までを一貫して行う方針ではないようです。

主な共同参画マンション物件

東京フロントコートデッキウイング(D棟)
東京フロントコートデッキウイング(D棟) (写真提供: 物件写真.net)

三井物産株式会社は、東京フロントコートやプラウド南麻布、ウエストレジデンス大崎など、大規模マンションの開発に多く共同参画しています。

三菱商事株式会社

財閥系である三菱グループの一角を成す三菱商事株式会社は、七大商社の中でもトップに立つ総合商社です。
マンション開発においては、1社単独でも手掛けていますが、共同参画によるものが多くを占めています。

主な1社単独開発マンション物件

テラス加賀アネックス棟
テラス加賀アネックス棟 (写真提供: 物件写真.net)

三菱商事株式会社が一社単独で開発したマンションには、テラス加賀や菊名マンション、パークリッジ湘南台といった物件があります。

主な共同参画マンション物件

ガーデンセシア参番館
ガーデンセシア参番館 (写真提供: 物件写真.net)

グループ会社である三菱地所株式会社のマンション開発や東急株式会社のドレッセシリーズなどに多く共同参画しています。

豊田通商株式会社

トヨタグループに属する総合商社の豊田通商株式会社は、グループの中心的事業である自動車産業に留まらず、石油やプラント、食品、保険といった広い分野で事業展開している企業です。

都市開発も手掛けており、マンションブランド「アクシア」やマンションリゾート事業を展開しています。

アクシア

アクシア麻布
アクシア麻布 (写真提供: 物件写真.net)

豊田通商株式会社が直接手掛けているマンションブランド。
首都圏を中心に展開されています。
近年では、インドネシアにてホテルレジデンス「アクシア・サウスチカラン」をオープンするなど、マンションリゾートの開発も手掛けています。

ナイス株式会社

ナイスグループの中核となるナイス株式会社は、宅建築用資材の国内流通・輸入販売事業、住宅分譲・不動産仲介事業などを行っている企業です。

手掛けているマンションブランドは主に「ノブレス」。
過去には「ニック」シリーズや「ナイス」シリーズ、「アルシア」といったブランドが展開されていました。

ノブレス

免震構造が採用されている点が特長のマンションブランド。
神奈川県を中心に、仙台や宇都宮などにも展開されています。

ニックシリーズ

ナイス株式会社が過去に展開していたマンションブランドのひとつです。
ニックアーバン、ニックガーデン、ニックハイムなどを含むニックシリーズがリリースされていました。

ナイスシリーズ

過去にリリースされていたマンションブランドです。
ナイスアーバン、ナイスステージ、ナイスパークステイツ、ナイスグランドステージ、ナイスロイヤルビューなど多岐にわたった名称で展開されていました。

アルシア

ナイス株式会社が過去にリリースしていたマンションブランド。
神奈川県内だけでなく、都内にも展開されています。

兼松株式会社

兼松株式会社は、電子機器、食料、金属など多種多様な製品やサービスを扱う総合商社です。(旧兼松江商株式会社)

マンションブランドは「レックス」シリーズを展開しています。

レックスシリーズ

兼松株式会社が手掛けるマンションシリーズです。
レックスマンション、レックスガーデンなどがリリースされています。

昭光通商株式会社

昭和電工グループの中核となる昭光通商株式会社は、化学品、樹脂、金属、電子材料、マンションなど、多岐にわたって事業を展開している総合商社です。

「アクティス」というマンションブランドを展開しています。

アクティス

昭光通商株式会社が手掛けるマンションブランドです。

蝶理株式会社

大阪に本社を置く蝶理株式会社は、繊維や化成品をメインに扱う専門商社です。

共同参画によるマンション開発が多い企業ですが、「センチュリー」というマンションブランドもリリースしています。

センチュリー

蝶理株式会社がリリースするマンションブランドです。
大阪や神戸、また都内にも展開されています。

ユアサ商事株式会社

ユアサ商事株式会社は、主に産業機械などを取り扱う複合型専門商社です。
建築に関わる事業も展開しており、「ライツシティ」など住宅地開発のほか、マンションブランドの「ライツ」を手掛けています。

ライツ

ユアサ商事株式会社がリリースするマンションブランドです。

安宅産業株式会社

安宅(あたか)産業株式会社は、かつて存在した総合商社で、戦後の十大総合商社の一角を成す存在でしたが、1977年に伊藤忠商事株式会社に吸収合併されました。

安宅産業株式会社がリリースしたマンションブランド「ルネ」は、都内や神奈川県内に現在も残っています。

ルネ

安宅産業株式会社が1970年代に展開していたマンションブランドです。

株式会社 トーメン

株式会社 トーメンは、2006年まで存在していた総合商社です。
現在は、豊田通商株式会社との合併により消滅しています。

不動産関連事業では、トーメン不動産、トーメンハウジングなどの子会社が存在しており、また「ビクセル」「ガーデニア」といったマンションブランドを展開していました。

ビクセル、ガーデニア

株式会社 トーメンまたはその子会社である株式会社トーメンハウジング、トーメン不動産株式会社が展開していたマンションブランドです。

新規開発は減りつつある商社系マンションブランド

日本国内で展開されてきた商社系マンションブランドのうち、一部の商社に絞ってご紹介致しましたが、多くのブランドが存在していることが伺えるかと思われます。
しかし、今回ご紹介した商社系マンションブランドのうち、現在でも開発が続いているものはごく少数。
新たなブランドに刷新または統一されたというだけではなく、単独開発から共同参加に切り替えたり、企業が解体したりといった状況により、新規開発が減少しています。

また、新規でのマンション開発から、リノベーション事業に軸足を移している企業が増えていることも、商社系マンションブランドの増加が鈍っている要因となっているようです。

一方、はっきりとしたブランドコンセプトを掲げ、独自性を打ち出しているマンションブランドは、開発数を大きく減らすことなく、消費者の支持を得ることに成功しているという面もあります。
今後は、そうした一部のマンションブランドを除き、商社系マンションは減っていく傾向にあると言えそうです。

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