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サービスルームと納戸とDENと書斎ってどう違う?メリットとデメリットは?

サービスルームと納戸とDENと書斎ってどう違う?メリットとデメリットは?

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e-tocoアシスタントスタッフの張替由佳(はりかえ・ゆか)です!
このコラムは、不動産用語や物件の見方について、私が疑問や難しさを感じた題材をピックアップして、屋敷家好(やしき・いえよし)先生に解説していただいたものです。
皆様も私と一緒に、不動産に関するあれこれを学びましょう!

間取図に「サービスルーム」や「DEN」と書かれた部屋がある物件を見かけたことはありませんか?
DENって何て読むの!? サービスってなんのこと!? 結構広いし窓もあるけど、居室にすることはできないの?
「書斎」のある家を探しているんだけど、「DEN」と「書斎」って違うの?
それぞれの用語の定義や、メリット、デメリットを見ていきましょう!

サービスルームやDENって何?まずは定義を確認しよう

まずは「サービスルーム」や「DEN」の定義から確認していきましょう。
現在(2019年時点)の建築基準法では、「居室」に関する基準は明確に示されていますが、「サービスルーム」「DEN」といった名称の空間を定義する項目はありません。
また、不動産業界での「サービスルーム」等の言葉の使われ方を見るに、『住宅の一部ではあるけど「居室」として扱うことができない部屋』と考えることができそうです。
次に確認したいのは、『住宅内の「居室」の基準』ですが、基本的には以下のように建築基準法 第二十八条において定められています。

★採光のための開口部(窓など)が、その部屋の床面積の1/7以上の面積で設けられていること
★換気のための開口部(窓など)が、その部屋の床面積の1/20以上の面積で設けられていること

「居室」としてカウントするためには、一定以上の大きさと数の開口部(窓など)が設けられている必要がある、ということがわかります。
部屋自体の広さはあまり重要視されておらず、「窓などの開口部」と部屋の床面積との割合が鍵になっているようです。
例えば、「0.5帖分ほどのサイズの窓が1箇所だけある10帖の部屋」は、居室として認められないということになります。
また、十分に基準を満たす大きな窓が設けられていたとしても、他の建物の影になっていたり窓の外が廊下になっているような場合は、採光や換気の用途を満たせないとして居室に認められないことがあります。

サービスルームと納戸とDENと書斎ってどう違う?メリットとデメリットは?
「居室」には採光・換気のできる開口部が十分に確保されている必要がある

そして重要なのは、部屋の使い方には特に制限がないこと。
つまり、「納戸」と表記されている部屋であっても、居室として使用できそうだと判断したら、普通の居室と同様に使うことは可能です。

「サービスルーム」「DEN」は建築基準法上の居室にあてはまらない個室に割り当てられた名称

つまり、「居室には認められない個室」が、「サービスルーム」や「DEN」「納戸」「書斎」といった表記になっているということです。
では、それぞれの表記はどういう違いがあるのかも確認してみましょう。

サービスルームと納戸とDENと書斎ってどう違う?メリットとデメリットは?

サービスルームとは

近年よく見かける「サービスルーム」。
「納戸」や「DEN」、「書斎」などと比較すると一番多く使用されている名称です。
不動産業界内でも「サービスルーム」と表記するにあたっての基準はなく、居室扱いできない個室の名称として広く使用されています。
ちなみに、ここでの「サービス」は、「仕事や作業を行う」という意味の言葉とのこと。
欧米では「サービスルーム」を家事室として利用していることが多いそうです。

サービスルームと納戸とDENと書斎ってどう違う?メリットとデメリットは?
「居室」として扱えない個室の名称は様々

実は、従来は「納戸」と表記されていた居室に扱えない個室が近年は「サービスルーム」と表記されることが増えてきたという経緯があります。
洋風デザインの住宅が一般化されてきたということと、「納戸」よりも「サービスルーム」とした方が消費者の好感度が高い傾向があることがその要因と考えられます。

不動産広告などで間取が「3LDK+S」という表記になっている場合、「S」がサービスルームを指しています。
この場合、LDKと3つの居室のほかにサービスルームが1つある、という意味になります。

納戸とは

「納戸」の本来の意味としては、和式ウォークインクローゼットとでも言うべき収納部屋を指すものでしたが、近年の住宅物件では「サービスルーム」と同様に、居室扱いできない個室の表記として使用されることが多くなっています。

洋風デザインの物件や洋風の個室では「サービスルーム」、和式デザインの物件や和風の個室では「納戸」と呼び分けている不動産会社もありますが、どちらも位置づけは居室扱いできない個室であることがほとんどです。

一方、ごく稀に、古い建築物では従来の意味通りの「納戸」も存在しています。

DENとは

「DEN」は英語で「野獣の巣、穴、ねぐら、ほら穴」といった意味があるそうです。
また、「密室、むさくるしい部屋、(男性の)私室」といった意味もある模様。
(オンライン英語辞書サイト「weblio」より引用)
なお、読み方は「デン」です。

DENのイメージ図

名前の由来の通り、居室よりも狭く、ベッドを置いて寝起きするような部屋ではなく趣味を楽しむ小部屋というニュアンスで表記されることが多いようです。
ただし、「DEN」についても明確な基準は設けられていないため、不動産会社によっては十分な広さがあっても「DEN」と表記したりすることも。

書斎とは

一般的な「書斎」は、読書や書き物を行うための部屋を指しますが、不動産の間取においては必ずしもそういった用途には限られません。
前述の「DEN」と同様に、居室として用いるには狭く、寝起きする空間ではなく趣味の小部屋として使用するのに向いた個室といったニュアンスで表記されます。
こちらもまた、広さなどに明確な基準はないことから、「納戸」や「サービスルーム」「DEN」との表記は曖昧で、不動産会社や物件担当者によって判断はまちまちです。

無性に落ち着くおうち
いいとこ研究物件『無性に落ち着くおうち』の書斎コーナー

サービスルームやDENのメリット

意外と定義が曖昧だった「サービスルーム」「DEN」「納戸」「書斎」。
建築基準法上の制限で居室として扱えない部屋には、一体どんなメリットがあるのでしょうか?

価格面でお得になる傾向がある

例えば「3LDK+S」の物件は、エリアやスペックが似た「4LDK」の物件と比較すると価格が低くなる傾向があります。
つまり、同じ部屋数でも、1室がサービスルームの物件の方が低価格で購入できることが多い訳です。
もちろん、サービスルームには採光面などのデメリットも含んでいますので、一概にお得とは言えませんが、部屋の使い方によってはお得感のある物件と言えます。

一戸建のサービスルームは固定資産税を低く抑えられる場合も

一戸建のサービスルームでは、税制面でのメリットになる場合があります。
サービスルームが、住宅の総床面積の1/2までの広さ、かつ、天井高が1.4m未満である場合には、固定資産税の対象にはなりません。
天井の高さが低いと圧迫感はありますが、収納やコレクションルームなどとして活用することで、他の居室を広く使うことができ、さらに固定資産税の負担も低減できるというメリットがあります。

書斎などの趣味部屋として活用しやすい

採光面でデメリットのある「サービスルーム」ですが、反面、「室内のものが日焼けしにくい」というメリットとも考えることができます。
このことから、サービスルームとして設計された部屋は、収納や書庫としても活用しやすいと言えそうです。

また、窓が小さいため音が外に漏れにくいことを活かし、シアタールームやカラオケルームとして利用するケースも増えています。
書斎としての利用はもちろん、手芸や絵画制作、動画配信など、趣味を楽しむスペースとしても広く活用できます。

サービスルームやDENのデメリット

「サービスルーム」や「DEN」などを個室として使用することは可能ですが、デメリットもあります。
「居室」ではない部屋ならではの制限を理解しつつ、ご自身や家族に合った活用方法を考えるのがベストです。

エアコンやテレビを設置できないケースが多い

居室として使用しないことが前提となっている「サービスルーム」などは、居室と同様の設備をつけられないという制限があります。
エアコン設置要のダクトや電気コンセント、テレビ回線、電話回線などといった設備が設置できません。

このため、例えば「DEN」をPC部屋として活用する場合には、電気コンセントの引き込みが必要になったり、窓用エアコンを設置するなどの工夫が必要になります。

採光が十分でないケースが多い

採光や換気に必要な窓の有効面積が居室よりも少ないのが「サービスルーム」や「納戸」。
このため、室内の採光が十分でないケースが多く、特に冬場は寒々しく感じられそうです。
部屋の用途によっては、照明器具をよく選ぶ必要が出てくるかもしれません。

サービスルームなどのある住まいがオススメな方と適さないケース

「サービスルーム」や「DEN」のある住まいがオススメな方、適さない方をピックアップしてみました。
ライフスタイルや将来を考慮して、メリットとデメリットを検討してみましょう。

サービスルームのある住まいがオススメな方

  • 収納の充実を求める方
  • 一戸建住宅でお得に1部屋増やしたい方
  • 集中できる趣味部屋や家事室が欲しい方
  • 書斎もしくは書庫が欲しい方
  • シアタールームやAVルーム、カラオケルームなどが欲しい方

サービスルームのある住まいが適さないケース

  • できるだけ広い居室が欲しい方
  • “持たない”主義!ミニマルなライフスタイルの方
  • 収納も含めてオープンなインテリアにしたい方
  • 部屋はすべて居室にしたい方

使い方によってはとてもお得感のあるサービスルーム。
とはいえ、”秘密基地”感よりも明るくオープンな環境がお好みの場合は、逆にマイナスポイントが多いかも……?
サービスルームの特徴をよく理解して、物件選びに活かしたいですね!

サービスルームやDENのある”いいとこ”研究物件もチェック

「居室として扱えない部屋」でも、書斎向きの場合と収納向きの場合、または居室として使用することもできる場合と、物件によって様々です。
家の数だけ”いいとこ”がありますので、様々な物件を見て見識を深めていきましょう!

"サービスルーム・納戸・DEN・書斎"の物件はこちら!

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