未入居物件とは?新築との違いやメリットとデメリットを解説
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このコラムは、不動産用語や物件の見方について、私が疑問や難しさを感じた題材をピックアップして、屋敷家好(やしき・いえよし)先生に解説していただいたものです。
皆様も私と一緒に、不動産に関するあれこれを学びましょう!
目次
不動産物件を探していると時々見かける「未入居」。
中古物件のカテゴリーで出てくるキーワードですが、人が住んでいないのに中古物件とはどういうこと?と疑問に感じる方もかられるかもしれません。
未入居物件の定義やメリット・デメリットを解説します。
未入居物件の定義とは?
未入居物件とは、建物の完成後、誰も住まないまま1年経過した物件を指す言葉です。
実は、新築物件と名乗るには、「建物の完成から1年以内」かつ「誰も住んだことがない」という条件を満たす必要があります。
これは品確法と呼ばれる「住宅の品質確保の促進等に関する法律」と、「不動産の表示に関する公正競争規約」で定義されているもので、不動産広告もすべてこの定義に準じなくてはなりません。
つまり、誰も住んだことがなくても、完成から1年以上経過した物件は「新築」という扱いができなくなるのです。
物件を購入した人が住まないまま手放した場合は?
では、建物の完成後すぐに購入し、引っ越ししないまま半年で売りに出した……といったケースはどうでしょうか。
こちらは、新築物件として扱われることになります。
新築物件の「建物の完成から1年以内」かつ「誰も住んでいない」という条件を満たしているためです。
ただし、新築物件の条件を満たしている場合でも、持ち主が物件をリフォームした場合は、中古物件として扱われることになります。
例えば、壁紙の色が気に入らなかったので引き渡し後に張り替えたが事情ができて入居直前に手放すことになった、といったケースでは、中古物件扱いとなるようです。
未入居物件のメリット
新築物件に近いけれど中古物件扱いとなる未入居物件。
そんな未入居物件のメリットを見てみましょう。
新築感覚の物件を比較的安価に購入できる
中古物件扱いとなる未入居物件は、新築物件と比較して価格が下がる傾向があります。
人が住んだことがなく、実質的には新築同然の物件を安く購入できるというのはお得感がありますね。
また、値引き交渉をしやすいという傾向もありますので、場合によってはさらにお得になるかも!?
物件の状態を確認しやすく、すぐに入居も可能
未入居物件は、これから建築が予定されている物件や居住中の物件とは異なり、すでに完成していて誰も住んでいない状態のため、見学しやすいという特徴があります。
物件の状態を確認しやすいことに加え、購入してすぐ入居できるというメリットも。
未入居物件のデメリット
新築同然とは言え、新築と区別するからには理由があるのでは?……という疑問もありますよね。
未入居物件のデメリットはどういうものがあるでしょうか。
新築物件対象の減税措置が受けられない
新築物件は「所有権移転の登録免許税」「固定資産税」が軽減されるなど税制面でもメリットがありますが、中古である未入居物件には適用されません。
物件価格からは見えづらいデメリットと言えますね。
物件に傷みが生じている可能性がある
建物完成後1年以上が経過していることで、物件に傷みが生じている可能性があります。
人が住まない建物は傷みが早いという話もありますが、定期的な換気など管理がきちんとされていない物件の場合は、カビが生じてしまったりするケースも……。
物件の見学時にしっかり確認することはもちろんですが、場合によってはホームインスペクション(住宅診断)を実施する必要があるかもしれません。
新築物件としての保証がないケースがある
未入居物件は中古物件扱いとなるため、新築物件が対象となる「瑕疵担保責任保険」「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の適用が義務付けられていないため、物件の品質保証がないケースがある……というデメリットがあります。
例を挙げますと、住宅メーカーから新築で購入した物件の場合は、売主である住宅メーカーが10年間の保証を負います。
これにより、雨漏りなどが生じた場合、住宅メーカーに修理を請求することができますが、そのような保証がない物件の場合は、購入者が自分で修理する必要があります。
ただし、現在の不動産市場では、物件の商品価値を上げるために、新築と同様の10年保証がついていることがほとんどだそうです。
物件自体が訳アリの可能性も
新築されても買い手が1年以上つかない物件ということは、それなりの理由があることも考えられます。
例えば、「昼は静かだけれど夜には運送トラックが目の前をよく通るのでうるさい」「水はけが悪く建物が傷みやすい土地」などのよく調べないとわかりにくいデメリットがある物件の可能性も……。
一方、購入した人が引っ越しする前に事情が変わって手放すことになってしまった物件や、物件価格の設定で目算を誤ってしまいなかなか買い手がつかなかった物件など、物件そのものにはまったく問題がないケースもあり、本当に掘り出し物となっている物件もあります。
未入居物件がオススメな方と適さないケース
未入居物件がオススメな方、適さない方をピックアップしてみました。
ライフスタイルや将来を考慮して、メリットとデメリットを検討してみましょう。
未入居物件がオススメな方
- すぐに入居したい方
- できるだけ新築に近い状態の住まいを安く購入したい方
- 不動産に詳しい人が身近にいる方
未入居物件が適さない方
- 遠方から引っ越しする方(物件の周辺情報に疎く、問題点に気づきにくいため)
- 縁起を気にする方
新築同様という面でついテンションがあがってしまいそうですが、物件の状態などもきちんと見なくてはいけませんね。
未入居物件だけに限りませんが、細かな部分もしっかりチェックして、納得した上で決めましょう。
未入居の”いいとこ”研究物件もチェック
制度上で少々のデメリットはあるものの、実質的には新築の住まいを比較的安価に手に入れられる未入居物件。
家の数だけ”いいとこ”がありますので、様々な物件を見て見識を深めていきましょう!
"未入居"の物件はこちら!
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